7月31日、愛媛県松山市のポリテクセンター愛媛で開催された夏休み親子ものづくり体験教室で、新たに「プログラミング体験」のコーナーが設けられ、小学生の親子に好評を博した。
夏休み親子ものづくり体験教室は、毎年行われるポリテクセンター愛媛(愛媛職業能力開発促進センター)の人気イベント。年を追うごとに参加者が増え、今年は金属加工や木材加工、ソーラーカー、タイルアートなど9種類の「親子ものづくり体験コーナー」と、バルーンアート、空気砲、木片組立てなどの「ミニものづくり体験コーナー」に、300人を超える親子が参加した。ここでのものづくりを夏休みの自由研究にあてる子どもたちもいて、会場は大盛況だった。

事前申込みが不要の「ミニものづくり体験コーナー」に、今年は異色の「プログラミング体験」が加わった。企画に参画した愛媛県職業能力開発協会の若年者人材育成サポーター・西岡秀和氏は、「これまでは文字通り『ものをつくる』だけの教室だったが、2020年度以降、順次実施される新学習指導要領にプログラミングが盛り込まれることを踏まえて、ソフト分野のメニューとして盛り込んだ」と経緯を語った。
依頼を受けて企画の実現に奔走したのが、愛媛県立松山工業高校の山岸貴弘教諭と松山市内でシステム開発会社を経営する松本純一郎氏だ。松山工業高校が毎年参加し、すぐれた成績を挙げている高校生プログラミングコンテストで使われる対戦型ゲーム「CHaser」をもとに、小・中学生がプログラミングを学ぶことができるカリキュラムを作成し、配付資料を準備した。山岸教諭は、「単に小・中学生にプログラミングのおもしろさをわかってもらうだけでなく、当校のメカトロ部の部員が年齢の近い小・中学生を教えることで、ともに成長していくことができる」と、「体験」の意義を説明した。

1回1時間×3コマの「体験」には、合計18組の親子が参加。講師役の松本氏が最低限必要なことを説明した後、子どもたちに実際にパソコンを操作してもらい、意図した通りにプログラムが実行されることを確認していった。親子の脇では、メカトロ部の1年生部員が操作を助ける。ディスプレイを見つめる子どもたちの目は、真剣そのものだ。

「1時間で教えられることは限られるが、まずは興味をもってもらい、資料として渡したCDでプログラミングに挑戦してほしい。秋には何らかのかたちでまた集まって、自分たちがつくったプログラムで対戦する場を設けたい」と、山岸教諭。今年の成果だけでなく、来年以降の「プログラミング体験」と、さらにその成果を披露する大会の開催に向けて大きな収穫を得た一日となった。